絶妙のタイミング?

 夕方のテレビで「ゆうメールは商標権侵害」というニュースが流れた。要するに「ゆうメール」という呼び名は、札幌のダイレクトメールの会社がすでに商標登録をしたものであり、日本郵便に対してこれ以上使わないようにとの判決が出たというのだ。詳しい事情は分からないが、大会社にしてはまた何ともお粗末な顛末というほかはない。
 
 たしか昔は「冊子小包」、さらにその前は「書籍小包」と言ったはずだが、民営化に伴っていつの間にか「ゆうメール」になった。やはり国鉄民営化に伴って、「国電」が「E電」という呼称に変わったようなものなのであろう。しかし「E電」の方は大いに不評で普及せず、いつのまにか「JR」になってしまったが、「ゆうメール」の方はそれとは別の理由で、つまりパクリだったという理由で消えていくことになったわけだ。
 
 以前、別のトラブル(それが何であったか忘れてしまったが)があったときには、局長と、たしか郵便課長(?)が拙宅に詫びに来たことがある。今回もせめて局長名の詫び状くらいあってしかるべきと思うが、現在ではお客さんへのそんな気配りをする余裕もないのか、以後一切の連絡はない。いや、下手に訪ねてもらったりしても応対に困るからそれはいいのだが、客商売をしながらそのあたりの配慮がないというのは、やはり少しおかしいのではなかろうか。たかだか小さな郵便物のトラブルと思っているのかも知れないが、しかしその郵便物の正確な配送こそが命である会社の姿勢として、やはりどこか抜けていると言わざるを得まい。
 
 実は今日の午後、切手を買いに本局に出かけたのである。そしてせっかく行くのだから、昨日のブログをプリントアウトして置いてきてやれ、と思ったのだ。少ししつこいかなとは思ったが、念には念を入れよ、との先人たちのありがたい教えもある。ところが、やはり気負っていたのか、窓口でいざ切手を買おうとして財布を忘れたことに気づいたのである。「郵便局の皆様へ」と書いたブログ入りの封筒を出すには最悪のタイミングである。しかしままよ、やるべきことはやれ、と自らを励ましながら、昨日の女性局員に「切手はまた別のときに、ともかくこれを皆さんで読んでください」と置いてきた。
 
 さてそのブログはどんな扱いを受けるのでしょうか。お客さんの提言として、まじめに読んでもらえるのでしょうか。せめても昨日の副局長あたりまでは届くのでしょうか。
 
 それはともかく、「ゆうメール」、これからどんなネーミングをされるのだろうか。私としてはこれまでの「冊子小包」でもいいし、さらに昔の「書籍小包」でもいいと思うが、さて日本郵便さんはなんと判断するか、お手並み拝見といきますか。それにしても私の「ゆうメール」騒動、また絶妙なタイミングで起こったもんですなあ。

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佐々木 孝

佐々木 孝 について

佐々木孝(ささき・たかし) 1939年北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。1962年同学科卒業。5年間の修練生活の後、1967年イエズス会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授、1982年教授となる。1984年常葉学園大学でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、東京外国語大学、駒沢大学、法政大学、早稲田大学などでも非常勤講師を務める。2002年定年を前に退職、病身の妻を伴い父祖の地・福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり「モノディアロゴス(Monodiálogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」の名を冠したブログを死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。2018年12月20日、小細胞肺がんのため宮城県立がんセンターにて死去(享年79)。洗礼名フランシスコ。
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4 Responses to 絶妙のタイミング?

  1. エトワール のコメント:

    今回の東京地裁の判決の概要は次のようなものです。

    郵便事業会社(日本郵便)の「ゆうメール」と同じ名称でダイレクトメール(DM)サービスを展開する札幌市のDM企画・発送代行会社「札幌メールサービス」が商標権を侵害されたとして、日本郵便に「広告物配布での名称の使用差し止め」などを求めた訴訟で、東京地裁は、請求を認める判決を言い渡し、日本郵便は即日控訴しています。

    「札幌メールサービス」は日本郵便がサービスを始める前の2004年6月、「広告物の各戸配布」などのサービスに「ゆうメール」という名称を商標登録していました。日本郵便は「広告物に限らず、荷物も配達している」として、メール社が商標権を持つサービスとは内容が異なるので侵害に当たらないと主張していますが、旧郵政公社が2005年1月、「札幌メールサービス」の商標登録が既にあることを理由に商標登録出願を拒絶され、サービス分野を「鉄道や車両による輸送」などに変えて商標登録を受けているにもかかわらず、郵政公社から業務を引き継いだ日本郵便があえて「ゆうメール」の商標を使用して、広告物配布も行っているのは、違法だというものです。

    多分、郵便事業は、高裁で敗訴しても、「ゆうメール」の名称は消えずに、広告物の各戸配布に限って、この名称の使用を控えるのではないかと思われます。事件の概要は以上ですが、それでも、稚拙な対処であったことは否めないのではないかと思います。

    日本郵政グループは、CSR(Corporate Social Responsibility)=企業の社会的責任を「自ら設定する高い規律に基づいて事業を推進することにより、グループ経営理念の実現を図り、持続的な成長を確保するための活動」と位置づけ、活動により具体性を持たせるため、7つの具体的なCSRの課題を定めています。

    日本郵政グループの7つのCSRの課題は次のとおりです。

    1 顧客満足度の向上
    2 生産性向上・新しい企業価値の創造
    3 適時・適切な情報開示の推進
    4 コンプライアンス、内部統制の確保
    5 人に優しい事業環境の整備
    6 社会、地域社会への貢献の推進
    7 環境保全活動の推進

    さらに、郵便事業株式会社のCSR活動方針には、「日本郵政グループの一員として、7つのCSR課題に積極的に取り組むとともに、当社に課せられたユニバーサルサービスを維持しつつ、より便利で安心と信頼のサービスを実現することにより社会と地域の発展に貢献します。」と謳われています。

    大変素晴らしいCSRへの取り組み姿勢だと思います。でも、この素晴らしい理念と現実の大きなギャップはいったい何なのだろうかと大変不思議に思います。

    郵便事業の問題は、今の日本では、氷山の一角にすぎないのかもしれません。どの企業にも、大変素晴らしいCSR活動方針が、かかげられていますが、企業内のモラルは、今世紀に入ってから、確実にダウンしてきていると思います。年功序列、終身雇用の安定した日本的経営のもと正社員のみで業務運営していた20世紀と、派遣社員、パート社員の雇用促進が進み、労働力の質的変化が起きた今世紀では、経営環境が、大きく変質していることは、認められるところですが、企業内モラルの低下が構造的に起きていることは、大変残念なことだと思います。各個々人が、気がついたときに、勇気を持って、それぞれに声をあげていくことこそが本当に大切な価値ある行動なので、そういう心ある人々を高く評価する時代にしていきたいと思います。

  2. 佐々木 孝 fuji-teivo のコメント:

    ブログ本文に書いたように、エトワ-ルさんのご報告、郵便局の人にも読んでもらいたいと、今日の午後本文と一緒にプリントアウトして局に届けました。
     ところで、喜彦君が例の「原発難民行進曲」の手続きの方はどうなっているのだろうか、と聞いてきました。年が変わりましたので、少し前に進みましょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

  3. エトワール のコメント:

    実は、昨年12月に「富士貞房と猫たちの部屋」あてに著作権許可を得る詳細な方法記載したメールを発信しておりました。上手く届かなかったのかと思います大変失礼いたしました。

    個人の連絡先などもあり、ブログコメントでは、記事掲載が難しいためメール送信したものです。著作権交渉の段取りは、1月中で十分大丈夫なように、手順はすべて段取りしてあります。

    「富士貞房と猫たちの部屋」でよろしければ、メールを再送してみます。あるいは、違う方法でのメール送信がよろしければ、ご示唆願えれば幸いです。

    よろしくお願いいたします。

  4. 佐々木 孝 fuji-teivo のコメント:

    エトワール様
     たびたび面倒なことお引き受けくださり、ありがとうございます。「原発難民行進曲」のプロデュースは、ご存知の佐藤喜彦君が一手に引き受けてくれることになっていますので、連絡先・個人情報などすべて彼にご連絡いただければありがたいのですが、よろしくお願いいたします。
     彼の連絡先は以下のとおりです。

    ─────────────────────◆ つながろう!八王子で! ◆
      + NAME + 佐藤喜彦
      + MAIL + hikomaro3@gmail.com
      + TEL  + 042-697-9223
      + Mobile  + 080-3274-7708
      + URL  + http://blog.livedoor.jp/tsunahachi/
    ───────────────────────────────
     なお、具体的な話はまだ何も詰めていませんが、映像の方は喜彦君が簡単に手に入れると思いますし、演奏や、たとえば男性コーラスなどは、菅さんが彼の学生たちを動員して何とかやってくれるのでは、と期待しています。
     ともかく少し動き出すと思います。ありがとうございました。

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