夜、手元のカレンダーを見て、今日が建国記念日であること、いや、あったことに初めて気がついた。今日が何日で何曜日なのか分からないまま日が過ぎてゆく。
先ほどから『定本 種田山頭火句集』を見ている。巻末の年譜で、どんな生涯を送った人か初めて知った。俳句については何も知らないも同然だが、山頭火はどのような評価を受けてきた人なんだろう。これまでもいくつか彼の句を読んだような気がするが、いずれも俳句の約束事を無視した、人を食った句という印象が残っている。初めて彼の句集を見ているのだが、なるほど面白い。
たとえば「身辺整理」という添え書き(と言うんだろうか?)のある句。
焼いてしまへばこれだけの灰を風吹く
がくんと、肩透かしをくったような句だが、不思議な余韻が残る。続いて「老遍路」という添え書きの二つの句。
死ねない手がふる鈴をふる
とほくちかくどこかのおくで鳴いてゐる
なんという句だろう。でもクセになる。妙な韻律がまとわりついてくる。しばらく読んでみよう。